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認知症お役立ち情報のページを始めました。

2011年08月15日

第一回目は『Q:今年発売された認知症の新薬について知りたいのですが』を掲示しました。
順次書き足していく予定です。Q&Aの形式なので知りたいところだけ拾い読みできます。
「詳細はこちら」をクリックしてください。

Q:今年発売された認知症の新薬について知りたいのですが

A:日本では1999年に初めてのアルツハイマー型認知症治療薬としてアリセプト(一般名ドネペジル)が
認可され、認知症の医療を大きく変えました。それに続く認知症治療薬は海外では発売されていましたが、
日本では使えない状況が続いていました。
今年、12年ぶりにレミニール(一般名ガランタミン)、メマリー(一般名メマンチン)、
イクセロンパッチ(一般名リバスチグミン、販売会社のちがいでリバスパッチという商品名もある)の
3種類の新薬が認可、発売され、アルツハイマー型認知症治療薬も使い分けの時代になったといわれています。

これら3種類の新薬のうちレミニールとイクセロンパッチはアリセプトと同じアセチルコリンエステラーゼ阻害薬
(次の『Q:アセチルコリンエステラーゼ阻害薬とはどんな薬ですか?』をお読みください)に分類されます。

アリセプトとレミニールのちがいは、レミニールにはアセチルコリンエステラーゼ阻害作用のほかに
ニコチン性アセチルコリン受容体の働きを高める作用があることです。
アリセプトが一刀流の剣士とすると、レミニールは刀のほかに手裏剣も持っている侍のイメージでしょうか。
認知機能に対する効果は、レミニールでよく使われる16mgと、アリセプトでよく使われる5mgとの比較では
若干レミニールの効果が高く、アリセプトの10mgと同じくらいです。
しかし、アリセプトは長時間効果が続くので1日1回の服用でよいのですが、レミニールは効果の持続が短いので
1日2回の服用が必要です。両者の副作用は同程度とされています。

もうひとつのイクセロンパッチはパッチ薬といって、貼り薬で効く薬です。アリセプトとレミニールが
アセチルコリンエステラーゼだけに作用するのに対して、イクセロンパッチはブチルコリンエステラーゼにも
阻害作用があります。つまり、二刀流の剣士というイメージです。
そのため認知症が進行しても効果が期待できるとされています。
副作用については、貼り薬特有のかぶれなど皮膚の症状以外は、アリセプトと同様です。
海外では内服薬のリバスチグミンがあるので、内服薬同士ではアリセプトより副作用が多いとされていますが、
日本ではパッチ薬なのでアリセプトとの比較はまだわかっていません。

アリセプト、レミニール、イクセロンパッチは同系統の薬なので、互いに併用することはできません。

一方、メマリーはアリセプト、レミニール、イクセロンパッチと全く作用が異なります。
NMDA受容体拮抗薬とよばれるタイプです。アルツハイマー型認知症の脳ではグルタミン酸神経が過剰に働いて、
NMDA受容体を刺激しすぎるために神経伝達の「雑音」が多くなったり、神経細胞が弱ってくるとされています。
メマリーはNMDA受容体に働いて、グルタミン酸からの刺激から守ってくれる働きをします。
いわば、神経を守る盾の働きをする守備兵のイメージです。今のところアセチルコリンエステレース阻害薬と同じく、
認知機能障害が進行するのを遅らせる効果ですが、アセチルコリンエステレース阻害薬との併用で
上積み効果があることがわかっているので、いままでアリセプトを使ってきたひとでは併用することが可能です。
メマリーを使っていると攻撃的な行動をする症状が出にくくなるといわれているのも期待できる点です。
主な副作用は眠気とふらつき(めまい感)です。腎臓の働きが悪いひとでは副作用が出やすくなります。

Q:アセチルコリンエステラーゼ阻害薬とはどんな薬ですか?

A:アセチルコリンエステラーゼ阻害薬はアセチルコリンという神経伝達物質が分解されるのを抑えて、
結果的にアセチルコリンの働きを高める薬です。アルツハイマー型認知症の治療薬として最初に実用化されました。
アセチルコリンはアセチルコリン作動性神経で合成されて、アセチルコリン受容体をもつ神経を刺激する「つなぎ」の
役割をしています。
アセチルコリン作動性神経は脳内でさまざまな働きを受け持っていますが、認知機能もそのひとつです。
アルツハイマー型認知症の脳ではこのアセチルコリン作動性神経が減っていることがわかっているので、
その神経の働きを補う効果があるのです。ですから、アルツハイマー型認知症の病気を元から良くしたり(根治薬)、
減った神経を増やしたりする(修復薬)ではなく、症状が悪化するのを防ぐ対症療法の薬です。
なんだ、治らないのかという声が聞こえそうですが、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬すらなかった時代を知る
わたしの眼からみると、大きな一歩であり、
「この薬のお陰で病気が落ち着いて、助かっています」というご家族の声もあります。
よくある副作用としては、吐き気や腹痛、下痢といった消化器症状です。また、神経の活動が強くなりすぎて、
張り切りすぎたり、興奮したり、怒りっぽくなる場合があります。その場合は量を加減して使います。

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京都市中京区 烏丸御池 はやし神経内科(内科・認知症・ものわすれ、脳卒中、頭痛、パーキンソン病)

はやし神経内科

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